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「人生を変えるスペイン語」 第2回:バルセロナ ミシュラン一つ星 日本料理レストランKoyshunkaオーナーシェフ 松久秀樹さん(前編)

February 7, 2018

 

人生を変えるスペイン語 第二弾は、日本人初のスペインミシュランガイドで一つ星を獲得された、Koy Shunka オーナーシェフ 松久秀樹さんです。

 

(松久秀樹さん プロフィール)

1972年生まれ。1997年にバルセロナに移住、2001年に自らのレストランをオープンし、

2013年に日本人として初めてスペインミシュランガイドで一ツ星を獲得。

現在ではバルセロナを中心に6店舗の経営・監修を行っている。

 

                                                                                                                                                                                              

1to1: 松久さん、今日はよろしくお願いします。早速ですが、バルセロナにいらっしゃる前は、スペイン語を勉強されていましたか?

 

松久さん:いいえ、実を言うと、ほとんどしてませんでした(笑) 両親の影響もあり、子どもの頃から料理人を目指していたこともあり、英語も全然でした(笑)

 

1to1:えっじゃあ、こちらに来て、いちから始めたってことですか!?

 

松久さん:まあ、そういうことですね。自分は勉強のための勉強は苦手なんで。今でこそ、翻訳アプリなんかありますけど、当時はなかったんで、スペインに行くということは、スペイン語はまさに「生きていくための手段」だったんですよね。なんで、もう本気で覚えた。

 

1to1:どうやって勉強されていたんですか?

 

松久さん:勉強、、、勉強という感じじゃなくて、「覚えた」のほうが近いかな。「とにかく会話する」「会話で気になったところはすぐに控えて調べる」ということを徹底してやりました。そもそも語学というのは、子どもは聞いて、話して、間違いながら覚えていくものですよね。例えば、動詞のir。ir、ir、irばっかり見てても、よく使うvoyやvamosなんてでてこないわけですよ。自分の場合は、スペイン人の友達もたくさん作って、とにかくリズムから覚えていきました。その上で、よく使う表現とか、ニュアンスなんかを友達から「盗んで」いました。

 

1to1:松久さんが陽キャだからじゃないですか?僕は陰キャなので、スペイン語もしゃべれないのに、スペイン人の友達ができる気がしません。。。

 

松久さん:そんなことないよ!まあ、もし心配だったら、他の日本人がいるミートアップに参加してもいいかもしれないですね。自分もスペインに来る前、2-3回ミートアップに参加しました。やっぱりネイティブの話すスピードは早い。それに比べて、日本人のスピードはゆっくりで分かりやすい。自分のレベルに近い目標ができるって感じですね。

 

1to1:なるほど。確かにそうですね。日本人だと知っている単語の量も変わらないので、話の展開も読みやすいですしね。

 

松久さん:そうですね。単語ということでいうと、「目に見える、身の回りのもの」や「仕事で使うもの」は、最低限言えるように、頑張って覚えました。当然目に見えるものは名詞が多いんですけど、そうすると今度はそれを絡めた動詞も覚えて、何か話したくなってくる。例えば、スマホの表示言語をスペイン語に切り替えても良いかもしれませんね。

 

1to1:(話したくなる。。。)

 

松久さん :何か、趣味とかないですか?

 

1to1:サッカー、映画、ゲーム、アニメ・・・。

 

松久さん :たくさんあるじゃないですか!? だったら、好きなチームや選手の話とか、そこから単語を覚えていって、会話のもとにしていけばいいですよ!話すことができるようになれば、単語のスペルや文章を書くことは早く覚えられると思います。でも逆はしんどい。私も学生時代、英語を勉強していたのに、全然話せなかった。今は、スカイプやなんかで簡単に繋がれる時代でしょ?どんどん話す練習をしていけばいいと思います。

 

1to1:(なんか宣伝みたい!)ありがとうございます!話は変わって、現在は、スペイン人だけでなくアジア系の方もお店にいらっしゃるようで、スペイン語でコミュニケーションされていらっしゃるのだと思いますが、日本とは異なる環境で経営される上で、ご苦労はありますか?

 

松久さん:うーん、苦労ですか、、、。その前に、私がなぜスペインの方も雇っているのか、お話したほうがいいかもしれませんね。

 

こちらに来て、お店もある程度成功してから、急に、「自分は何の為に働いているのか」「何を得るために自分の時間を費やすのか」考える時期があったんですよ。そのときに、少なくとも「お金じゃないな」って。あと、信念としてあるのは、「人は自分一人では笑えない、周りが笑っているから笑えるんだ」ということ。料理人を志したときは、もっと上手になってお客様を喜ばせたいというのがあったんですけど、じゃあ、お店もある程度大きくなった今、何ができるか、何をすべきか考えたんですね。

 

人を喜ばせるには、おいしい料理が必要、しかしおいしい料理をつくるためには時間がかかるわけです。自分一人ではできない。幸いなことに、バルセロナには、日本の料理や文化に興味を持ってくれている若い方がたくさんいる。彼らもいずれは自分の店をオープンしたいという夢を持っている。私から、料理でもなんでも学んで、彼ら自身でお客様を喜ばせてくれれば、自分ひとりでやるよりも、もっとたくさんの人を喜ばせることができるのではないかと思ったわけです。そういった事もあって、今、このお店ではアジア系だけではなく、スペインの方にも働いてもらっています。スペイン人の方がいるほうが、よりお客様の気持がわかりますしね。

 

1to1:でも、文化や習慣の違いでトラブルになったり、、、ということはないですか?

 

松久さん:たしかに、文化や習慣の違いはあります。お互いリスペクトし合うというのは前提にありますが、その上で、2つのことを考えるようになりました。

 

一つ目は、日本人である以上、日本文化に対して譲れないラインはあるなと思っています。例えば「礼儀正しさ」であるとか、「もったいない」という考え方。これは、従業員にも当たり前のこととして学んでもらっています。その上で大切なのは、納得してもらうこと。信頼関係がない中で、単に押し付けても結局は根付かない。そのためには、なぜそれが必要なのか、具体的な例で示すようにしています。

 

二つ目は、文化や価値観というのは、「目に見えない魔法のはかり」みたいなものだということ。当然人それぞれ育ってきた環境が違うので、「はかり」を通して見る世界もちがっているわけです。なので、それ自身が良いとか悪いとかっていうわけではない。例えばヒゲやタトゥーに対する考え方。こっち(バルセロナ)にいらっしゃればわかると思いますが、若い人でヒゲをたくわえたり、タトゥーを入れてる方は結構いらっしゃいます。日本だったら、ヒゲやタトゥーは飲食業界ではタブーです。でも、こちらの社会はそれでも成り立っているということを考えると、別に何か大きな間違いが生じているわけではないということ。だったら、そういった線引が難しい問題に関するルールは、変化してもいいと思うようになったのです。

 

1to1:なるほど。でも、信頼関係を築いたり、トラブルを解決するためにはコミュニケーションが重要ですよね。何か気をつけていらっしゃることはありますか?

 

松久さん:日本人なので、スペイン語は完璧ではありません。表情や身振り手振り、料理といった例で示す、といった、コミュニケーションの手段を言葉だけに頼らないようにしています。一方で、言葉もやはり大事なので、間違って当然だという気持ちで臨んでいます。言葉がちょっと間違っていたって、それは失敗なんかじゃないですよ。要は伝わることが大切なんです。

 

1to1:(確かに非言語コミュニケーションも重要だってどっかで習った気がする。)ありがとうございました!

 

(つづきます)

 

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