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バルセロナの自転車シェアリングは何故ワークしない?

バルセロナの自転車シェアリングの歴史

東京でもNTTドコモの子会社である株式会社ドコモ・バイクシェアが自転車のシェアリングサービスを自治体と展開していますが、欧州ではデンマークのコペンハーゲンで1995年に始まったのを皮切りに、ドイツ、フランスと続いたのち、2007年にスペインバルセロナ

でもバルセロナ自治体からアメリカの広告会社(Clear Channel)が業務委託を受ける形で「Bicing」(ビシングと発音)始まりました。なぜ、広告会社なの?という部分ですが、該当広告やバス停広告など、広告会社は自治体とのコネを持つことで、本業の広告ビジネスに生かそうと試みています。

フランスパリやリヨンで自転車シェアを世界最大級で運営するJC Decauxも広告会社です。

Bicin使い方は簡単で、登録がカードが届くため、ステーションにカードをかざすと指定の自転車のロックが解除され、バルセロナの街中にあるステーションのどこかに返却します。

使い方詳細はこちらのブログご参考(ブログ:毎日がエスペシアルさん)。

https://ameblo.jp/feliznavidad8/entry-12217442097.html

Bicingのサービスと料金

料金(2017年11月) https://www.bicing.cat/es/content/tarifas

年額 47.16€

使用料金:30分までは無料/30分以上2時間以内は0.74€/2時間以上の利用は一時間あたり4.49€

要件:バルセロナの在留カードが登録時に必要のためツーリストは利用不可

バルセロナのバイクシェアリングは、公共交通機関の一部として、バスや地下鉄を補完する目的及び、渋滞及び街中の自転車パーキングスペースを減らし、空いたスペースを駐車場にして、財源を確保する目的ではじまりました。

しかしながら、バルセロナ特有の問題から、なかなかオペレーションがうまくいっていません。乗りたいときに、ステーションに自転車が無かったり、駐車したいステーションが一杯で駐車できない、自転車がぶっこわれている、盗まれるなどのいろいろな問題が起きています。

1.バルセロナの地形

バルセロナはビーチから上に登っていく形で住宅地帯が広がっているため、平坦な道が少なく、急な坂も非常に多いため、自転車の利用は主に「坂の上から下」に集中します。坂の上に住む人が通勤のためにダウンタウンに下るため、坂の上のステーションは朝方即効でからっぽになります。

一方坂の下に位置するビジネス地帯のステーションは坂の上からの通勤者・通学者で自転車があふれかえります。このように坂の多い地形での自転車シェリングのオペレーションは非常に難しくなります。

こういった需給の大幅な不均衡を調整するためにバンを使用し(最大29個の自転車を運べる)で坂の下から上へ継続的に自転車を運んでいく必要があります。

また、天候や気温、イベントなどにより自転車の需要は大幅に影響を受けるため、トラックで定期的なルートで自転車を運ぶオペレーションは非常に難しく、現在はオペレーターのタイムリーの指示で適時トラックの運転手が指示を受けたステーションに自転車を届けにいくという行き当たりばったりのオペレーションをせざるを得ない状況となっています。

こういったオペレーションは運営者にとって予想以上のコスト負担を強いってしまっています。

2.料金体系

料金体系は年額払い、30分以内は無料であることから、年額払ったカスタマーにとっては自転車を使ってバス料金や車関連費用を減らせるだけ減らすメリットがあるため、晴れた日の坂の上の自転車需要は非常に高くなります。

通常の自転車シェアリングであれば、ユーザーが増えれば増えるほど、ユーザー自身が自転車を動かすため、トラックのコストは減っていくのですが、バルセロナの場合には坂を上るために自転車を借りるケースはほぼありません。そのため、同一会員が使えば使うほど、コストのみが上がっていくという仕組みになっています。

トラックで自転車を坂の上に戻すというバンの追加コストがなければ、問題はないのですが、運営者は1ユーザーの自転車の需要が増えれば増えるほど、自転車を運ぶコストのみが増えることになります。(通常はコスト削減になるはずが)

では、消費者にそのコストを転嫁すればいいじゃないかという議論があるとは思いますが、やはり公共サービスの業務委託事業であるため、価格の改定は容易ではありません。

理想としては、ルートごとに料金の設定を変えてコスト増の原因を作っている顧客から追加コストを回収するのがセオリーですが、これも公共サービスの一種であるという観点で一律の値段を設定せざるを得ないという政治的問題が絡んできています。

3.サービスのターゲットと実際のズレ

旅行客が使えないことは残念である点の一つです。旅行客にとっては平坦なエリアを自転車で移動するメリットは高く、運営者側にも追加の収入が期待できますが、以下の理由で導入が見送られていると考えられます。

①盗難が増える可能性が高くなる(ID管理)

②使用が雑になる(また使わないため)

③事故が増える(バルセロナの交通事情に詳しくない)

④行き先が決まっている(サクラダファミリア・グエル公園)ため、ステーション間の不均衡が更に増えてしまう。とくにグエル公園は地形的に丘にあるため、相当量の自転車を常にグエル公園に補給するがある。

最近では、公共サービスではない形でのオートバイのシェアリングや中国のスタートアップの自転車シェアリングが登場してきています。

これらも同じような問題を抱えています。シェアリングの大きな問題点は需要が一時点に固まりそれに対応できないと顧客満足度があがらない一方、それに対応してしまうと、需要のピーク時以外には大幅な供給過多でコストが見合わないというジレンマですね。

いつの日か、AIが需要のパターンを事前に予測し、自動運転のトラック自転車を自動で運ぶ、こんな日が来るのかもしれませんね。

ただ、そんな日にはすでに自転車にのって通勤するのではなく、自動運転の送迎車の中でエキササイズしながら通勤してるのでしょうね。

#Bicing #バルセロナ #自転車シェアリング #自転車

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